■その壱「シリーズ構成&脚本制作」編(2010年10月8日更新)
■その弐「絵コンテ作成」編(2010年10月15日更新)
■その参「原画&動画作成」編(2010年10月22日更新)
■その四「彩色」編(2010年10月29日更新)
■その伍「背景作成」編(2010年11月08日更新)
■その六「撮影」編(2010年11月12日更新)
■その七「アフレコ」編(2010年12月1日更新)
■その八「ダビング&編集」編(2010年12月17日更新)NEW


その壱
「シリーズ構成&脚本制作」編

(2010年10月8日)

 10月3日からいよいよスタートしたTVアニメ『百花繚乱 サムライガールズ』。普段はなんとなく見ているアニメだが、実際にどのように作られているかは意外に知られていないところ。今回は「百花繚乱アニメ放送への道」と題し、『百花繚乱 サムライガールズ』がどのように制作されているのか?を徹底解剖! 制作秘話など、気になる裏の裏まで見せちゃいます!
 ナビゲーターは真田幸村と柳生十兵衛の二人が担当! さぁ、それでは幸村さん、後はよろしく!!

■アニメ放送への道、その壱「シリーズ構成&脚本制作」
幸:うむ。承った。今日から全6回にわたって、この真田左衛門佐幸村がアニメ完成までの道のりを紹介していく。皆の者、刮目せよ!!
アニメを制作するにあたり、まず最初に行われるのがこの「シリーズ構成」と「脚本制作」じゃ(本当は、最初に行われるのは“お金の話”じゃが、そこは大人の事情が絡み合う魑魅魍魎のドロドロな世界じゃから、今回は置いておく!)。シリーズ構成とは、物語の概要のこと。「どんな事件がおきて、どんな最後を迎えるか」、また全話(『百花繚乱』では全12話)の中でどのようにその物語が進行するか、などを簡単にまとめたものじゃな。『百花繚乱』では金月龍之介殿が担当されておる。
シリーズ構成が出来上がると、続いては「脚本制作」となる。「脚本」とは、各話ごとに書かれるもので、「誰が」「何処で」「何をする」ということが書かれたものじゃ。脚本独特の書き方の部分もあるが、基本的にはいわゆる小説のように書かれておる。小説と大きく異なるのは、放送分数という絶対的な制約があることじゃな。

●“脚本会議”に参加しちゃったよ!


十:ねぇねぇゆっきー。このおじさんたちはだあれ?

幸:こらっ、失礼な事を言うでない! この方達こそアニメ制作の中枢スタッフの皆様なのじゃ。今まさに脚本が形作られようとしておるのだぞ。プロデューサー、監督、シリーズ構成、脚本家、進行、原作担当編集者などなど、毎回10名以上の人達の手によって、脚本が練られていくのじゃ! 恐れ入ったか!

十:ほほー。すごいんだねぇ。


幸:脚本はストーリーを構成する上で一番重要なもの。みなの顔も真剣そのものじゃのう。1つの話数を完成させるまでに、何回も何回も書き直すんじゃ。

十:うん! すごい! みんなからすごいやる気を感じるよー!


幸:これが、脚本じゃ。書いておるのは金月殿本人じゃな。この2話では、第6稿まで書かれておるようじゃのぉ。脚本が進むと、最初のシリーズ構成自体を見直すことも多い。『百花繚乱』でも、最初のシリーズ構成と、最終的な物語は大きく変化しておる。

十:ほほー。

幸:では、続いては中身じゃ。


幸:これは第1話の内容じゃ。左が脚本。右が実際の第1話のシーンじゃな。
十:ふむふむ。

幸:こうやって、何カ月もかけて脚本は完成するんじゃ。

十:ほほー。ところでゆっきー。きゃくほん、ってなんなの?

幸:なんじゃとぉう! 今までの「ほほー」だの、「ふむふむ」は何じゃったんじゃぁあああああ!!

■次回予告“絵コンテ作成”
…こうして制作された12話分の脚本を元にアニメ制作は次の工程「絵コンテ作成」へと進むのじゃ!!

■TVアニメ「百花繚乱 サムライガールズ」公式サイト:http://www.hyakka-ryoran.tv/

©2010 すずきあきら・Niθ・ホビージャパン/百花繚乱パートナーズ



その弐
「絵コンテ作成」編

(2010年10月15日)
幸:皆の者、待たせたのう。アニメ『百花繚乱 サムライガールズ』のできるまでをダイジェストでお贈りしておる「百花繚乱アニメ放送への道」。今回は2回目となる<その弐>をお贈りする。今回も妾、真田幸村と…

十:十兵衛がお届けしちゃいますっ! 今回も「ほほー」とか「ふむふむ」とかしちゃうよ!!

幸:…。

■アニメ放送への道、その弐「絵コンテ作成」
幸:脚本が出来上がると、次に行われるのが「絵コンテ作成」じゃ。「絵コンテ」とは、脚本に文字で書かれた物語を、どのような絵で映像化していくかを描いたもの。画面全体に対する構図から、カメラの動き、キャラの動き、セリフなどが書かれており、「アニメの設計図」とも言えるものじゃの。多くの作品では、コンテマンと呼ばれる人が描いたコンテを監督が手直しして、完成させる。アニメだけでなく、実写作品でも多くの作品が脚本から絵コンテを描いておるの。

●監督を直撃! 実際に絵コンテが作られる様子を取材しちゃったよ!
幸:まぁ、絵コンテについて知るには作っている本人に聞くのが一番じゃ。KOBUN監督に直接話を聞いてみるとするかのぅ。


幸:こちらが監督のKOBUN殿じゃ。今まさにコンテ作成の真っ最中なので邪魔したらいかん…。

十:わぁ~い! かんとくさんだぁ~! こんにちは! ねぇねぇねぇねぇ! なにしてるの~!?

幸:こ、こりゃっ! 邪魔をしてはいかんというに!

KOBUN(以下、K):ちょっとぐらいうるさくても、問題ないですよ。いつもは近所のファミレスで描いてますから(笑)。

幸:ファ、ファミレスとな? なぜ、そんなところで!?

K:僕がコンテを描くには、どうしても必要なものがあるんですよ。

十:ファミレスってことはごはんだね! ごはんはおいしいよねぇ、幸せになれるよねぇ、うん♪

K:それもあるんですが、コーラという液体が必要なんです。コーヒーでもいいけど、黒い液体がないと…。


十:この缶ジュースがそう? ぺぷ●のN●X??

K:最近はこれがお気に入りです。なくなっちゃうと、もう効率が悪くて悪くて…。

幸:おぬし、相当の中毒者じゃな…。

K:仕事に熱中すると、ご飯を食べなくなっちゃうことも多いんですが、これがあれば、どれだけでも闘えますよ!

幸:もう、末期か…。

十:うわぁ、絵とか文字とかいっぱい書いてある。

幸:うむ。こちらが実際のコンテじゃな。第1話の妾と宗朗の会話シーンの絵コンテじゃ。

K:第1話のころは作品作りが模索中だったこともあって、あまりキッチリ書きすぎていません。そうすることで、絵を描く人たちに自由度を持って描いてもらえるんです。

幸:それぞれの場所が何を意味しているかは、赤色で説明しておるから、チェックするのじゃ。



十:うわぁ~どんどんできあがってるよぉ~。はやいはやい!

幸:当然じゃ。アニメ1話分で絵コンテは百数十ページにもなる。これを毎話分作らねばならぬのじゃから、さっさとやらぬと放映に間に合わんのじゃぞ!

K:『百花繚乱』では僕がコンテを描いた後に、キャラクターデザインと総作画監督をしていただいている宮澤努さんにチェックを入れてもらっています。絵描きさんの視点からより良い作品にしてもらうためですね。

幸:ほほう。

K:それと、セクシーシーンの演出をパワーアップしてもらうため、というのもあります。ちょっとしたセクシーシーンでも、宮澤さんの手に渡ると、すごく綺麗なシーンになるんですよ。

幸:うむ。たしかに、そういうシーンでも、“ただ見せれば良い”ではなく考えられた構図が多いの。た、ただし、やりすぎぬようにな!! 妾は毎回ドキドキじゃ…。

十:そうかなぁ? 十兵衛は全然平気だよっ!

幸:少しは恥じらいを持てぇぇぇええええ!!!!




幸:最後に、第1話で実際のコンテとアニメのカットを確認してみよう。すでに第1話を見た者も多いと思うが、上のコンテと見比べてながら、今一度第1話を見てみるのも良いかもしれんのう。

■次回予告“原画&動画作成”
こうして、コーラを燃料に日々、絵コンテが描かれていく。続いては、このコンテをベースに実際の絵が描かれていくことになるわけじゃ。というわけで、次回は原画&動画作成編じゃの。アニメを制作しているアームスの現場を紹介するので楽しみにするのじゃ!!

■TVアニメ「百花繚乱 サムライガールズ」公式サイト:http://www.hyakka-ryoran.tv/

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その参
「原画&動画作成」編

(2010年10月22日)
■アニメ放送への道、その参「原画、動画作成」
幸:前回は絵コンテ制作についてを紹介したが、第3回となる今回は絵を描く作業について紹介しよう。大まかに「キャラクターデザイン」と「原画」、「動画」にわけて解説するぞ。
「キャラクターデザイン」はその名の通りの作業じゃの。そして、実際にアニメが始まると、行われるのが「原画」と「動画」じゃ。アニメの絵は大まかに「背景」とキャラクターなどの「セル」に分けられる。「原画」と「動画」はその「セル」を描くものじゃ。原画は各カットの起点となる絵を描いたもので、原画と原画の間をつなぐのが動画となるわけじゃな。さて、簡単な説明はここまでにして、早速、細かな解説をしていこうかのお。

●アニメ製作スタジオ「アームス」に直撃取材を敢行!
幸:と、言う訳でじゃな。「原画」と「動画」について話を伺うために、アニメ制作スタジオの「アームス」を訪れてみた。百花繚乱のアニメはここで生まれる! と言っても過言ではないのじゃぞ。ふふん。

十:なのじゃぞ~。えっへん。

幸:何故おぬしが偉そうなのじゃ…まあ、それはともかく。早速、作業が行われている様子を見てみようかの。

十:うわー! おっきな机―! 見て見てゆっきー! 私たちのお人形があるよー!

幸:うむ。これが百花繚乱のキャラクターデザインにして総作画監督、宮澤努殿の机じゃ。うーむ。大きいのう。横には各種の資料を確認するためのパソコン(ディスプレイ)が置いてある。


幸:おっほん! えー、そしてこちらが百花繚乱のキャラクターデザインにして総作画監督の宮澤努殿じゃ。宮澤殿、今日はよろしくおねが…

十:こんにちわーっ! ねえねえ! ねえねえ! 何してるのー!?

幸:ええい!毎度、毎度騒ぐでないわ! やかましい!
宮:お手柔らかにお願いします(笑)。

●キャラクターデザイン
幸:まずは「キャラクターデザイン」についてじゃ。キャラクターデザインとは、「原画」や「動画」を描く時の基本となる絵のことじゃの。
宮:今回はアニメのオリジナル作品ではなかったので、原作のイラストを描かれるNiθさんの絵を私がアニメ用に描きなおした、といった内容になっています。


十:同じようで、ちょっと違うんだねぇ。

宮:アニメでは、キャラクターを動かさないといけないので、少しディテールを減らす作業を行っています。でも、減らしすぎちゃうと、違うキャラクターになってしまうので、そこが気を使うポイントですね。また、Niθさんの濃い~キャラクターをアニメ用キャラクターにする為にどうするか、ということだけでなく、TVシリーズのキャラクターデザインが初めてなので、監督の求めている世界観に、どこまで雰囲気を合わせる事ができるか考えながら調節、調節の毎日でした。

●原画

十:わあ!これは私かな?

幸:良く見るのじゃ、これは第1話冒頭の“妾たちに良く似た誰か”じゃ。これは「レイアウト」と呼ばれているものじゃな。

宮:はい。絵コンテの構図をもとに実際の画面に対する構図を描いたものです。この段階で背景なども指定するんですよ。

幸:ラフなのにこんなに描き込むものなのか?

宮:私の場合はそうですね。でも、もっと大まかに描かれる方もいらっしゃいますし、人それぞれだと思います。このレイアウトをもとに、他の原画スタッフや背景スタッフに絵を描いてもらうんです。

幸:うむ。一人で全てを描くのは無理が…。

十:わあ! こっちにも私の絵がある! あ! こっちはべーたさんだ♪

幸:おぬしは本当に人の話を聞かんのう…。


十:ねぇねぇ、今度は何をしているの?

宮:原画スタッフの皆さんが描いた絵をチェックしているところです。

幸:下の白い紙が原画スタッフの絵で、それに重ねてピンク色の紙に修正を描くのじゃな。

十:わっ! 机が光ったよ!

宮:これは“トレス台 ”と言って、こうやって紙を重ねた時に、下の絵が透けて見えやすいようにするためのものですね。2枚くらいなら必要ないのですが、カットによってはキャラクターが重なってきて紙が何枚にもなってしまうことがあります。そうした場合に、これがあると便利なんですよ。

幸:ほほう。では、まずは「レイアウト」があって次に「原画」、そして「原画チェック」を経て、ようやく原画が完成するわけじゃな。 十:大変だねぇ。

幸:次回説明する彩色など、アニメの現場はここ10年ほどで多くの作業がデジタルに切り替わっておるが、この原画だけは今でも人の手で作られておる。見よ! この使い込まれた道具たちを!

十:うんうん! これがネコなんだね!

幸:それを言うならエコじゃろ…。それはともかく、宮沢殿、今日は世話になった。礼を言うぞ。

十:ありがとうございました!

宮:いえいえ、こちらこそ。これからもよろしくお願いします。

●動画
幸:さて、原画が描き終わると次は動画じゃな。先ほども説明したように動画とは、原画と原画をつなぐ絵のことじゃ。

十:絵なら、さっきの原画がいっぱいあるよ?

幸:それでも不十分なのじゃ。原画だけでは、キャラクターは動くことができん。たとえば、腕を振り下げるシーンならば、原画は最初のポーズと下げ終わったところしかない。多くて、その途中に1枚あるかないかじゃ。それでは紙芝居になってしまうじゃろ?

十:うーん、じゃあ、どうやって動くの?

幸:その答えが“動画”じゃ。最初のポーズと、腕を振り上げ終わったところの間を動画と呼ばれる絵を描いて繋ぐのじゃ。

十:そうすると、動くの?

幸:うむ。原理としてはパラパラ漫画と同じじゃ。


幸:先ほど原画を見た、第1話冒頭のシーンで確認してみるとしよう。左が絵コンテで、右が原画と動画じゃ。原画と原画の間に何枚も絵があるじゃろう? これが動画じゃ。

十:すごーい。いっぱいあるねぇ。

幸:うむ。じゃが、これでアニメにすると約1~2秒にしかならん。

十:えーーー!!

幸:30分のアニメなら、約3,000枚程度必要となるそうじゃ。特に百花繚乱は激しい戦闘アクションがあるから、通常のアニメーションよりもどうしても、枚数が増えてしまう。スタッフの皆さんの頑張りがあって、妾たちのアニメは完成しておるんじゃな。

十:みんな、ありがとー!

■次回予告“彩色編”
幸:絵ができた次は「彩色」じゃ。今、セル画と思ったそこのお主、絶対に次回は見逃さないようにの。

■TVアニメ「百花繚乱 サムライガールズ」公式サイト:http://www.hyakka-ryoran.tv/

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その四
「彩色」編

(2010年10月29日)
■アニメ放送への道、その四「彩色」編
幸:前回は動画までを学習したのぉ。第4回となる今回は更に1歩進んで、「彩色」の工程をお届けしようと思う。「彩色」は簡単に言うと、色塗りのことじゃ。前回までの「原画」、「動画」は色が塗られていないものだが、今回の作業でこれに色が加えられることになる。より一層アニメっぽくなる瞬間じゃ。
舞台は前回に引き続き、アームスからお送りするぞ。

●彩色現場を直撃!
幸:「原画」「動画」はアナログ作業じゃったが、彩色工程からは完全にデジタル作業じゃ。

十:あなぐら?

幸:アナログ! コンピュータを使わずに人間が手でやる作業の事をそう呼ぶのじゃ。10数年前までは「彩色」作業もアナログで、セルと呼ばれる透明なシートに線画を写し、これにセル用の特殊な塗料を筆で塗って「彩色」していたのじゃ。それで完成した物がセル画じゃな。じゃが、今は全てパソコン作業。最早セル画も存在しない世界なのじゃ。
さて、前置きはこの位にしておいて、さっそく作業現場を見せてもらおうぞ。


幸:こちらが本日彩色工程の説明をしていただく阿部みゆき殿じゃ。いつもは、色の指定などを担当されておる色のプロフェッショナルじゃ。阿部殿。今日はよろしく頼む。

阿:よろしくおねがいします。

十:こんにちは! 十兵衛ですっ! …あれ? テレビ見てるの?

幸:これはテレビではない。ブラウン管のモニターじゃな。

十:ぶらんぶらん缶…?

阿:ブラウン管ですね(笑)。最近は色々な場面で液晶のモニターが主流になってきていると思いますが、液晶モニターは発色が良すぎて色が強く出すぎてしまうことも多いので、彩色の現場では未だにブラウン管のモニターが使われていますね。

十:駅長にもなか…? 駅でお菓子食べるの!? 十兵衛も食べたい!

幸:…こやつの事はもう放っておくか…


十:あ! これは私だね♪ でもまだ真っ白だねぇ。

阿:はい。これは原画や動画などの紙をスキャナーで取り込んだ状態の「トレスデータ」と呼ばれる物です。これに設定画の色を載せて行くんです。こんな風にアップにして…


阿:設定画から拾ってきた色を乗せると、指定された範囲に一度に色が付きます。彩色は基本的にこれの繰り返しになりますね。

幸:ふうむ。あっという間じゃのう。

阿:手作業の時代は塗る手間に加えて、絵の具を乾かす時間もあったので、実際の作業時間は今の何倍もかかってしまっていましたね。

幸:手作業の頃からこの仕事を?

阿:そうですねえ、16年くらいやっているでしょうか。

幸:16年じゃと! わらわが生まれる前からやっとるのか…。まさにプロフェッショナルじゃのう。

阿:デジタルになったおかげで、昔よりも細かな彩色ができるようになったのも特徴ですね。マスターサムライになった幸村さんのように、いろいろな色が複雑に入り込んだ衣装も彩色できるようになりました。

幸:た、たしかに…。十兵衛も千もわらわも変身すると衣装が豪華になるからのぉ…。

阿:デジタルでも時間はかかってしまいますけどね(笑)。

幸:むむぅ。毎度、申し訳ない。

十:ゆっきー。お話している間にどんどん塗りあがってるよ~。


幸:ぬおっ、いつの間に! まだほんの数分しか経っておらぬと言うのに。一体どんなスピードなのじゃ?

阿:彩色する枚数はとてもたくさんありますからね。人にもよりますが、大体1枚2~30分くらいで塗っています。ものによりますが、1日だと大体40~50枚くらいですね。

幸:40~50枚!? 確かに動画の枚数分、塗るわけじゃから、1話で3000枚以上彩色する必要があるわけで…。さすがアームスじゃ、侮れん…!

■次回予告“背景”
十:ゆっきー。今回はぬりえを見せてもらったけど、次はなにをするの?

幸:塗り絵でなくて「彩色」じゃ! まったく…。次回は「背景」についてじゃな。「百花繚乱」では背景も独特な雰囲気を醸し出しておる。これを説明する予定じゃ。楽しみにするのじゃぞ!

十:うんっ!

幸:いや、お主じゃなく…。

十:ん?

幸:…。

十:ん? ん?

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その伍
「背景作成」編

(2010年11月08日)
幸:皆の者、今日は「背景」について解説する。きちんとついてくるようにの!

十:はっけよーい! お相撲するの?

幸:は・い・け・い、じゃ! まったく、毎度毎度よくもまあ。

十:えへへ。

幸:褒めとらんわ!

■アニメ放送への道、その伍「背景作成」編
幸:「背景」とは、その名の通り、キャラクターのバックに描かれる建物や風景のことじゃの。仕事の名称としては「美術」と呼ばれたりもする。背景は背景専門のスタジオが制作することが多いのお。

十:アームスさんとは違うんだぁ。

幸:うむ。「百花繚乱」では東潤一殿を美術監督にスタジオイースター社が担当してくださっておる。

●最初は「美術設定」だって!
幸:背景を描くうえで、最初に行われるのが「美術設定」の作成じゃ。

十:美術の設定?

幸:うむ。「キャラクター設定」と同じく、背景を描くための基本となる設定画じゃの。じゃが、「百花繚乱」はもともと小説が原作じゃから、武應学園塾がどんな学園なのか、柳生道場がどんな道場なのか、といったことが絵としてはあまり明確になっておらぬ。そこで、ほぼゼロから「百花繚乱」の世界を描き出さねばならん。

十:うわぁ、すっごく大変…なのかな??

幸:当たり前じゃ! 道場一つ取ったって、道場の門、玄関、道場、廊下、庭、寝室、離れ、台所、厠にお風呂、犬小屋…どれだけあると思っておる! 特に、今回はいわゆる“戦国時代”や“江戸時代”、“現代”とも違う世界観じゃから、その苦労は並大抵のものじゃなかったそうじゃ。そして、出来上がったのが、これじゃ。





十:あ、十兵衛がいる!

幸:大きさの対比じゃな。「十兵衛はこれくらいの大きさです」という説明じゃ。他にも方角が書いてあったり、建物の説明が書いてあったりしておる。方角が書いてあると、太陽の方向などもハッキリしてくるわけじゃ。

十:いっぱい、い~っぱい描かないとダメなんだね。

幸:うむ。そして、「美術設定」が完成すると、次に背景の彩色の方向性を統一するための「美術ボード」が作られる。



十:キレイ! 筆で描いたみたい~。

幸:武應学園塾の全景じゃな。現代に和風なテイストを盛り込む、という今回のコンセプトが見て取れるのお。「美術ボード」が完成すると、次はいよいよ実際の背景じゃ。

●いよいよ「背景」じゃ!


幸:これが背景のスタート。レイアウトじゃ。第参回で宮澤殿が描かれていたものを覚えておるかの? この時点ではまだキャラクターと背景は一緒に描かれておる。

十:お兄ちゃんが学園塾に着いたときのだねっ!


幸:そして次の段階がこれじゃ。この段階でキャラクターと背景は完全に分けられ、背景は背景、キャラクターはキャラクターと別々に仕上げが行われることになる。

十:キレイな線になったねぇ。

幸:ここから色が付けられるわけじゃ。


幸:そしてこれが完成した背景の絵じゃ。全体的に筆のタッチのような印象で仕上げられているのがわかる。「百花繚乱」の特徴じゃのう。これにキャラクターの絵を載せると…。


十:できたぁ!

幸:うむ。これで完成じゃの。あとは、この要領でどんどん背景を描いていくわけじゃ。例によって30分のアニメで約300枚…。

十:ゆっきー、アニメって大変なんだねぇ…。

幸:うむ。知れば知るほど、大変なものじゃのう。まだまだ放送への道のりは長いしのお。

十:うん……、…なんだかお腹空いてきちゃったよ…。

幸:何じゃと~! 焼き魚より焼き肉のほうがすき、とか言ってる場合じゃないわああああ!!

■次回予告、“撮影”編
幸:まったく、次回の撮影編も思いやられるのお…。十兵衛! お主、失礼のないようにの!

十:うん。十兵衛、ちゃんと撮影してもらえるように、“ぽぉず”を練習してくる!

幸:…。

次回、「撮影編」に続く

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その六
「撮影」編

(2010年11月12日)
幸:今日は「撮影」について解説する。そろそろ放映が見えてきたようだのお。

十:ずいぶん色々なところに行ったねぇ。

幸:うむ。しかし! まだこれだけではないぞ! これからもまだまだ工程は控えておるのじゃ。

十:今回で終わりじゃないの?

幸:何を言っておる、アニメ作りはそんなに簡単に終わらないぞ。

十:でもゆっきー。第一回目の最初のとき「今日から全6回にわたって、この真田左衛門佐幸村がアニメ完成までの道のりを紹介していく。皆の者、刮目せよ!!」って言ってたよ?

幸:ぎくっ! 変なところだけ鋭いヤツじゃの…。せ、戦況は常に変化するものなのじゃ! あらゆる状況に柔軟に対応することこそ、真田流軍学の真髄なのじゃ!

十:ふーん。よくわからないけど、時間が足りなくなっちゃったんだね!

幸:身も蓋もないわ…。

■アニメ放送への道、その六「撮影」編
十:ゆっきー! 十兵衛、ちゃんと撮影してもらえるように、ぽぉずの練習してきたよ!

幸:おぬしの写真を撮ってどうするっ! 確かにアニメの工程としてはあまり聞きなれないかもしれんが、撮影と言うのはじゃな、これまで作って来た「原画」「動画」「背景」を合体させて、実際に放送する“絵”を作ることじゃ。

十:がったい?

幸:うむ。ただ合体させるだけではないぞ。百花繚乱の作風に合わせてエフェクトを追加する作業も合わせて行うのじゃ。

十:えへくと…?

幸:ついて来られていない者は放っておくとして…。皆の者はちゃんと付いてくるのじゃぞ!

●知られざる工程「撮影」とは!?


幸:これが原画、彩色の工程を経て作られたキャラクターの素材じゃ。アナログ時代のセル画に当たるものじゃから「セル」と呼ばれておるの。

十:もうこれだけでも、おっけーだね!

幸:そう甘い物ではないぞ。これだけでは完成にはほど遠いのじゃ。

十:えー? そうなの? キレイだよ?

幸:うむ。まあ実際の物を見たほうが早いの。と言う訳でこの動画を見るのじゃ。


十:うわー! 動いた! 動いたよゆっきー!

幸:うむ。感無量じゃのう。ここまで来て初めて動いた絵を見た気がするのじゃ。

十:でもゆっきー、これだけだとやっぱりちょっと何か物足りないね~。

幸:うむ、そうじゃな。まず背景が無い。それに、まだまだエフェクトも全然足りておらんし、動きも大雑把じゃ。と言う訳で、次の工程を見てみよう。


幸:まずは主線の加工じゃ。百花繚乱の特徴として良く言われる、キャラの線を敢えて太くする加工じゃ。

十:あれ? 太くなったり、細くなったりしてるよ?

幸:うむ。筆の感じを出すために、ただ太いだけではない処理をしておる。原画や動画は他のアニメと同じく普通に描かれておるが、この「撮影」でこのように加工するのじゃ。


幸:さらに撮影効果として陰影を付けたところじゃ。場面場面によって、光源がどの向きで当たるか、何処を明るくしたいのか、暗いくしたいのかなどを考えて、グラデーションを加えておる。


幸:続いて、「マスターサムライ」が放つ独特の「墨オーラ」のエフェクトを加える。これでキャラクターの方はほぼ完成じゃの。

十:最初のと比べると大分違うね~。

幸:キャラクターの処理がおわったら、続いては画面全体に対する処理じゃ。


幸:先ほどの絵に背景を合わせたものがこれじゃ。これだけでもかなり放映時の状態に近づくのう。

十:わー、さっきより全然すごいねー

幸:いいや、まだ作業はあるのじゃ。次の絵を見ていただこう。


幸:前の画像にシーン毎に設定された特殊色効果を載せた状態のものがこれじゃ。このシーンは外での戦闘シーンと言う事で「フレア」と呼ばれる光を載せた特殊処理が施されておる。特殊処理はシーン毎に違うので、例えば洞窟の中とかの暗い所ではこれとは逆に画面全体の色彩トーンを落とすような処理が加えられるのじゃな。

十:全然、違うねぇ。

幸:そして最後に、百花繚乱ならでは! の処理を加える。それがこれじゃ。


十:線だけになっちゃったよ??

幸:うむ。先ほどの画像に特殊な処理を施して作った「水墨画風処理レイヤー」じゃ。これを先ほどの画像の上に重ねて合体させると…。


幸:さあとくと見よ! これが完成状態じゃ! 一枚目と比べるとその差がハッキリとわかるじゃろ?

十:うんうん! なんかすっごくかっこよくなったね!

幸:これだけの処理を施して、やっと1枚の絵が完成するわけじゃ。そして、これらの絵をタイムテーブルに合わせてつなぎ合わせ、完成状態にした物がこれじゃ!


十:うわぁー! 動いてる動いてる! すっごーい!

幸:うむ。そうじゃろう、そうじゃろう。こうやってどんどん動く絵を作って行くのじゃ。
十:ここで30分、いっぺんに出来ちゃうの?

幸:いや、ここでは30分のアニメを細切れにして作っておる。こうして細切れに分けられたアニメの部分のことを「カット」と呼ぶのじゃ。大体30分のアニメで250~400カット程度に切り分けられるのじゃな。

十:ふーん。随分細かく分けるんだねぇ。

幸:そして、「絵」の部分の作業はここでおしまいじゃ。次はいよいよこれに声を当てる作業に入るのじゃな! と言うわけで次回はアフレコ編じゃ!!

次回、「アフレコ編」に続く!

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©2010 すずきあきら・Niθ・ホビージャパン/百花繚乱パートナーズ



その七
「アフレコ」編

(2010年12月1日)
幸:皆の者、少々待たせてしまったな。

十:お久しぶりだよ~~。

幸:さて、今回は「アフレコ」じゃ。聞いたことのある者も多いと思うが、これまで作って来た「絵」に「声」を入れる作業のことじゃ。キャラクターに命が吹き込まれる瞬間じゃな。

十:十兵衛は悠木碧さんが声をあててくれてるんだよねぇ。

幸:うむ。わしの声は釘宮理恵殿が担当してくださっておる。じゃが、今回は声優ではなく、裏方とでもいうべきスタッフ陣について解説したいと思う。声優の皆のがんばりも優秀なスタッフ陣によって支えられておるのじゃ!

■アニメ放送への道、その七「アフレコ」編
幸:と言う訳で、今日は都内にある録音スタジオT&Tにやって来たぞ。

十:わ! 人がいっぱいだよゆっきー!


幸:うむ。アフレコは常に一発勝負! その場で全てを終えねばならぬ。それ故、作業する人間も勿論じゃが、チェックする人数も必然的に多くなるのじゃ。

十:ここにいる人は何をしているの?

幸:よし、一人一人の役割を説明してゆくぞ。


①音響監督
幸:まずは①の人物についてじゃ。こちらは『音響監督』。百花繚乱の“音”全てを取り仕切る、最重要人物じゃ。アフレコでは、全体の進行から声優に実際に指示を出したり、各シーンに合わせて演技指導などをするのが仕事じゃの。音響監督がおらねばアフレコを執り行う事が出来ん。


十:何か書いてるよ?

幸:うむ。あれは「台本」じゃな。声優に実際喋ってもらうセリフが細かく書いてある。アフレコは通常、テストを行った後に本番を収録するのじゃが、その際に気になったことや、後で演技の変更を指示するポイントなどを台本に書き込んでいくわけじゃ。

十:いっぱい書き込んであるねぇ。

幸:うむ。アフレコの現場でセリフに修正が入る事も多いので、それを書き込んだりもしておるの。目の前のモニタに映し出される映像を見ながら色々指示を出せるようになっておる。


②ミキサー
幸:②は『ミキサー』。ミキサーのアフレコでの仕事は録音関係全般じゃ。録音される声優の声のボリュームを調整して、録音レベルを一定の範囲内に保つことやノイズチェックなど、録音された音声の状態を管理するのも仕事じゃな。


十:なんだか凄い機械だよぉ~

幸:うむ。この複雑な制御板を目いっぱい使いこなしてこそ、良い音声が撮れるというものなのじゃな。

③アシスタントミキサー
幸:続いては『アシスタントミキサー』じゃ。このスタジオにある様々な機材を操って、ミキサー殿のお手伝いをするのが主なお仕事じゃ。実際の録音に加えてモニターに絵を映し出したり、一度撮った音声を確認用にもう一回出したり、そういった細かい作業も行う縁の下の力持ちじゃ。


十:ふわぁ~ なんだか難しい画面が出てるねぇ

幸:必要な画面や音声をフレーム単位であっという間に再生する事が出来るようじゃの


④監督 & ⑤担当演出
幸:④は「絵コンテ」について説明した時もご登場頂いたKOBUN監督。⑤は『担当演出』じゃ。この現場でこの二人だけが、映像の完成イメージを持っていることになる。なので、音響監督とは違う立場から、それぞれのシーンに合ったイメージで音声が当てられているかどうか、この場で逐一チェックするのじゃ。

十:でも、台本にセリフは書いてあるんだよねぇ?

幸:うむ。じゃが、台本には『悲しそうに「さようなら」』と書いてあっても、ただ悲しそうに言うのと、涙をこらえて言うのと、涙をこらえながらも明るく言うのと、まったく印象が変わるじゃろ? 

⑤プロデューサー
幸:そして最後の⑥が『プロデューサー』じゃ。プロデューサーはアニメ全体を取り仕切る、会社で言えば社長のような存在。百花繚乱のアニメをどうすれば良くできるか? どうすればより色々な人に見てもらえるか? と言う事を常日頃から考えておられる。とても偉い方なのじゃ。

十:ふ~ん。とっても偉い人なんだねぇ~。ひょっとして「ついったー」って言うのにつぶやいてるのもこの人なの?

幸:うむ。その通り。広く告知を行う事もプロデューサーの立派な仕事じゃぞ。

十:じゃあ、これを書いたのもプロデューサーさんなの?

「タナ~ズです。チュウチュウチュウでピロピロピロ~~ってピロ~カバーがなんてたってすばらしいのよ! これは早くみんなに触ってほしい! そしてチュウチュウチュ~のピロロロロロロ~~~
8:15 PM Oct 6th webから」

幸:………………………………………………………………

十:………………………………………………………………

■次回予告、“ダビング”編
幸:………………………………

十:………………………………

次回、「ダビング編」に続く……

■TVアニメ「百花繚乱 サムライガールズ」公式サイト:http://www.hyakka-ryoran.tv/

©2010 すずきあきら・Niθ・ホビージャパン/百花繚乱パートナーズ



その八「ダビング&編集」編
(2010年12月17日)
幸:長かった「アニメ放送への道」も遂に今回で最終回じゃ。
十:とうとう完成なんだね!
幸:うむ。今回解説するのは「ダビング」と「編集」じゃな。ダビングは前回撮った台詞や音楽等の整音、編集は最後の仕上げとなるな。詳しくは以下で解説していこう!

■アニメ放送への道、その八「ダビング&編集」編

●ダビング
幸:と言う訳で、まずはダビングについて説明しようと思う。場所は前回のアフレコに引き続き、録音スタジオT&Tじゃ。
十:ここはこの間来たから覚えてるよ~。真ん中に座ってる人が音響監督さんだよね♪


幸:うむ。ダビングは、収録した音声を尺の長さに合わせて調整したり、BGMやSEを挿入する作業のこと。作業は前回に引き続き、音響監督が中心で行うのじゃ。
十:びーじいえむ? えすいー?
幸:BGMは「バックグラウンドミュージック」の略。劇が進行している時にその後ろで流れている歌や音楽の事じゃ。SEは「サウンドエフェクト」の略で、例えば刀で斬りつけたときの「バサーッ」と言う音や、爆発があったときの「ドカーン」というような音の事じゃ。
十:わたしのおっぱいが揺れる時の「ぽよ~ん」もそうだね! あれ? でもゆっきーはそういう音しないよね?
幸:う、うるさい!! 大きなお世話じゃ!
十:なんで怒ってるの? 変なの~? ところでゆっきー。さっきから気になっているんだけど、見たことが無い人がいるよ?


幸:う、うむ。こちらの方は音響効果を担当されている今野康之殿じゃ。SEは今までに作られて来た膨大なデータベースの中からその場に合った相応しい物を選ぶ必要があるので、卓越した知識が必要になるのじゃ。さらにじゃな、データベースの中にも無いようなSEが必要となる場合も多い。そんな時には、その音を自ら作り出すことになる。
十:作り出す?
幸:例えば、“板間を革靴で歩く”などを表現するために実際に革靴を履いて板間で足踏みした音を録音することもあるし、キャラクターと同じ動きを演じて衣擦れなど再現したりすることもある、文字通り音を作り出すわけじゃ。
十:うわー、すごい! 十兵衛もやる! えいっ! えいっ!
幸:…何をしておる。
十:おっぱいを揺らせば「ぽよ~ん」が出るよね!
幸:ええい! もうよいわ! さっさと次の現場へ向かうぞ!
十:まって~! ゆっき~、何を怒ってるの~??

●編集
幸:さあ、ここが遂にアニメ製作の終着駅、編集スタジオじゃ。


十:すごい! テレビがいっぱいだぁ!
幸:うむ。テレビではなくてモニターじゃがの。今はまさに編集作業の真っ最中だったようじゃ。
十:ここでは何をするの?
幸:ここではまず、これまでに仕上がった「アニメ」と「音声」を合体させる事から始める。


幸:作業はやはりコンピュータで行われる。右上に映し出されているのが、実際の映像。下に映し出されているのが、音声を表すグラフじゃ。これらをずれないようにぴったりと合わせるのじゃ。
十:千姫様さんがしゃべってる~~。口と声がぴったりだよ! ところで、さっきから、なんで千姫様さんばっかりなの?
幸:それは、今回お邪魔している編集スタジオ、グッド・ジョブ東京の担当殿が千好きだからじゃ! まあ、そんなことは置いておいて、ここまで出来たら完成は目前じゃ。後はTVで放送できるようにCM枠を空けたり、テロップを入れたりするのじゃ。


十:てろっぷ? って?
幸:テロップと言うのは、オープニングやエンディングで流れるスタッフ表記などの文字のことじゃ。「監督:KOBUN」とかそういうものじゃな。これを入れればいよいよアニメの完成じゃ!
十:おお♪

幸:…おっと、肝心な事を忘れておったわ。
十:?
幸:こほん。えー、百花繚乱にはじゃな、その、良い子も見ているTVでは、えー、放送 しづらい部分もあってじゃな…。
十:十兵衛のおっぱいとか?
幸:ええい! 皆まで言うでない! まあ、そう言うところとかじゃ。だからここで登場するのがお馴染みの“墨”エフェクトと言う訳じゃ。TVでも見せられない物をここで見せる訳にもいかんからの、適当な画像を選んで説明を…。
十:わあ! 面白そう! 十兵衛がやるやるー!
幸:あっ、こら! 勝手にいじるなぁ!


十:あ、ゆっきーの顔が出てきた! えーと、こうかな?これをこうして・・・えいっ!

十:わぁい! できたできたぁ!
幸:こっ、こらー! 妾の顔が放送してはいけない物みたいになってしもうたではないか!!
十:えへへへ。でも、すっごい、いろんな形の墨があるんだねぇ。
幸:うむ。キャラデザの宮澤努殿や撮影を担当してくださっているレアトリックの柿沼純一殿が作った“墨”データが膨大にあるのじゃ。シーンに合わせて良い形の物を選択するわけじゃな。

●完成!
十:とまあ、全編をこうした墨で調整して、完成したのがこれじゃ!


十:なになに?
幸:これはマスターテープと呼ばれる物じゃ。これを実際にテレビ局に納品して、晴れて放送となるわけじゃ。
十:遂にTVに映るんだね!
幸:うむ。感無量じゃのう…。たった30分のアニメにもこれだけの人間の努力と汗と涙が詰まっておるのじゃ。皆の者も次にアニメを見る時は、少しでもこの事を思い出してみると、より深く見る事ができるかもしれんの。
十:うん! そうだね!

■終幕
幸:さて、全8回に渡ってお贈りしたこの「アニメ放送への道」も今回が最終回じゃ。皆の者、楽しんでもらえたかの。TVアニメもいよいよ明後日の放送で最終回なので、こっちも見逃さんようにの!
十:みんな、最後まで読んでくれてありがとう! また、どこかで会おうね!
十&幸:それじゃ、バイバーイ!


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